12.知らないひと
「あなたは…だれ?」

私と同じ顔をして不気味に微笑む。


目の前にいる私じゃない私はこう言った。


『私はアナタよ』

…こころが生み出した理想のアナタよ。

きっと、私ならあなたよりずっと

幸せになれる。


それなのに…何であなたが生まれてきちゃったのよ。



気付いたときには虚しさの痕だけがくっきりと残っていた。 
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